TEL QUEL JAPON

リビドーの音階が砂漠に死んだヤギの乳をしぼっていく

「ハワイ爆撃行」 (詩人) 田中克己

「ハワイ爆撃行」 田中克己

宛然一個の驕慢児
力を恃みて非理を唱導し
物に倚りて正義を圧服せんと欲す
空しく蒐め得たり艦と機と砲と
海外に盤踞して神州を呑むと想へり
一億国民みな切歯せしが
聖詔 既に下りて秋霜より烈し
時は維れ昭和十六年十二月八日
颶風未だ収まらず全天闇(くら)し
母艦々上 司令 命を伝へ
言々壮んにして復た厳を極む
紅顔の健児 目眦(もくし)裂け
吾が生は皇国に享く 死は布哇(ハワイ)
醜敵を屠り得て鴻恩に報ぜんと
挙手して機に上ればまた後顧せず
爆音轟々 敵空を圧し
金鯱(きんこ)一たび巨鯨に臨むと見しが
須臾に摧破し去る巨大艦
雲煙散じ去つて再(ま)た影を見ず
真珠湾頭 星条旗低し
捷報連(しき)りに故国に到り
山川歓呼して草木揺(ゆら)ぐ
盟邦また瞠目し 醜小狼狽す
吾れ国史の此の瞬間に生きたるを喜び
仰いで霊峰富士を望み見るに
暗雲一拭されて皓として白し

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昭和16年12月日本讀賣新聞           
昭和17年5月 所載詩集『神軍』
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引用元ペイジ
↑紹介する本とは内容的には無関係のサイト
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詩集より一編の詩を引用掲載しているだけなので、歴史検証サイトとしてのTel Quel Japonにふさわしくないかもしれない。そう判断した場合は、後日他の文学関連のBlogに移行させるかも知れない。

実は「詩の読み方」 小川和佑現代詩史 (風間書院刊)というタイトルの新刊本を小川氏の奥様からお送りいただいた。この本の中でこの詩作品に出会った。編集は御子息の小川靖彦氏、お父上と同じく、国文学者の道を歩まれておられる方のようだ。編者あとがきに「亡父生誕85年の日に」とあるように、お父上の評論家としての仕事の全容を収集整理し、斬新に編集の手を加え、一周忌を記念してご子息が一冊の本として世に問われたもののようだ。
小川和佑氏に関して、Tel Quel Japonでは過去に2度関連記事を書いている。参照として、以下にリンクを貼っておく。
問うべき戦後とはなにか
江藤淳の「閉ざされた言語空間」は1982年、「帰ろう愛の天使達」は1975年出版、すでにGHQの占領政策としての罪悪感の植え込みを指摘している。四城亜儀あっぱれと自画自賛したいところだが、出版よりさらに数年前の執筆時から、そんなことは誰でも知っていると思っていた。
「唱歌・賛美歌・軍歌の始源」 小川和佑著

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