TEL QUEL JAPON

リビドーの音階が砂漠に死んだヤギの乳をしぼっていく

積極的平和主義とは何か? (2)追記-2

全文転載と言うのはできるだけしたくないことの一つだが、リンクだけではクリックして見る人は3%にも満たないことを体験上知っている。今回は官邸サイトから、2014年1月のダボス会議における安倍総理の冒頭演説をお借りする。

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シュワブさん、ご紹介ありがとうございます。大統領閣下、続いてお話できるのは、何よりの光栄です。

 さて、「アベノミクス」と、私の経済政策は呼ばれています。誰が名づけたのかは、知りません。自分の名前を呼び続けるのはちょっと抵抗がありますが、ここは、この言葉を使わせてください。
 大胆な金融政策という、第一の矢、機動的な財政政策という、第二の矢、そして民間投資を喚起し続ける、終わりのない第三の矢。
 日本経済は、長く続いたデフレから、脱け出ようとしています。今年は、春に賃上げがあるでしょう。久方ぶりの賃金上昇で、消費が伸びます。
 日本の財政状況も、着実に改善し、財政健全化の軌道に乗りつつあります。
 日本とは、黄昏の国である。――そんな、論調がありました。成熟の極みにある国に、成長の可能性などない。さも当然のように、そうした主張がなされていました。私が今回総理となる前の情景です。
 いまは、さっぱり聞かれません。成長率は、マイナスから、プラスへと、大きく変化しました。オリンピック・パラリンピックが、あと6年で東京に来ることも、人々の心を明るくしました。日本に来たのは、黄昏ではなかった。新しい、夜明けでした。

 昨年終盤、大改革を、いくつか決定しました。できるはずがない――。そういう固定観念を、打ち破りました。
 電力市場を、完全に自由化します。2020年、東京でオリンピック選手たちが競い合う頃には、日本の電力市場は、発送電を分離し、発電、小売りとも、完全に競争的な市場になっています。
 日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
 医療を、産業として育てます。
(注:4月18日追記:医療の産業化?
日本が最先端を行く再生医療では、細胞を、民間の工場で生み出すことが可能になります。
 日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
 40年以上続いてきた、コメの減反を廃止します。民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を、需給の人為的コントロール抜きに作れる時代がやってきます。  日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
 これらはみな、昨年の秋、現に、決定したことです。
 加えて、昨日の朝私は、日本にも、Mayo Clinicのような、ホールディング・カンパニー型の大規模医療法人ができてしかるべきだから、制度を改めるようにと、追加の指示をしました。
 既得権益の岩盤を打ち破る、ドリルの刃になるのだと、私は言ってきました。
 春先には、国家戦略特区が動き出します。
 向こう2年間、そこでは、いかなる既得権益といえども、私の「ドリル」から、無傷ではいられません。
 世界のトップクラス入りを望む都市では、容積率規制がなくなります。文字通り、青空だけが限界です。質の高い住宅とビジネスのコンプレックス、ゼロエミッション・タウンが、次々と登場するでしょう。
 TPPは、私の経済政策を支える主柱です。欧州とのEPAも進めます。日本はこれから、グローバルな知の流れ、貿易のフロー、投資の流れに、もっとはるかに、深く組み込まれた経済になります。外国の企業・人が、最も仕事をしやすい国に、日本は変わっていきます。
 日本の資産運用も、大きく変わるでしょう。1兆2000億ドルの運用資産をもつGPIFについては、そのポートフォリオの見直しを始め、フォーワード・ルッキングな改革を行います。成長への投資に、貢献することとなるでしょう。
 法人にかかる税金の体系も、国際相場に照らして競争的なものにしなければなりません。
 法人税率を、今年の4月から、2.4%引き下げます。
 企業がためたキャッシュを設備投資、研究開発、賃金引上げへ振り向かせるため、異次元の税制措置を断行します
 本年、さらなる法人税改革に着手いたします。

 古い産業に労働者を縛り付けている、雇用市場を改革します。新たな産業には、イノベイティブで、クリエイティブな人材が必要です。古い産業に「社内失業」を温存させていた補助金を、良い人材を求める新たな産業への労働移動の支援へと、転換します。
 少子高齢化が進む日本のどこに、イノベイティブで、クリエイティブな人材がいるのか。そう仰る向きがあるかもしれません。
 アリアナ・ハッフィントンさんは、「リーマン・ブラザーズが、もしリーマン・ブラザーズ&シスターズだったなら、生き残れただろう」と仰いました。
 日本の企業文化は、いまだにピンストライプ、ボタンダウンです。
 いまだに活用されていない資源の最たるもの。それが女性の力ですから、日本は女性に、輝く機会を与える場でなくてはなりません。2020年までに、指導的地位にいる人の3割を、女性にします。
 多くの女性が市場の主人公となるためには、多様な労働環境と、家事の補助、あるいはお年寄りの介護などの分野に外国人のサポートが必要です。
 女性の労働参加率が、男性並みになったら、日本のGDPは16%伸びるという話です。ヒラリー・クリントンさんのお話です。私は大いに勇気づけられました。
 企業のボードメンバーたちに対する、大いなる刺激も必要でしょう。
 24日からの国会に、会社法改正を提案します。これで、社外取締役が増えます。来月中には、機関投資家に、コーポレート・ガバナンスへのより深い参画を容易にするため、スチュワードシップ・コードを策定します。
 それらを実現させれば、2020年までに、対内直接投資を倍増させることが可能になります。
 そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう。
(追記 2014年3月22日 Bruxelles追記: この辺りは日本ではさほど話題になっていないのでわかりにくいとは思うが、プランの詳細を組み立てたのはGoldman SacksのKathy Matsui,この人安倍氏がそっくりそのまま採用した。会社と個人名くらいは覚えておいた方がいいだろう。Kathy Matsui Womenomics

 地震と、津波、原発事故の三重苦が、日本の東北地方を襲った、2011年の3月11日。あの日から、じき、3年が経ちます。
 あのとき、世界が寄せてくれた愛情に、日本人は、心から、慰められました。東北の復興は、到底終わっていません。私には、被災者の将来に対し、格別の責任があります。
 けれどもあの辛いさなか、いまだかつてない悲劇に見舞われた人たちは、互いに助け合い、涙をこらえて、苦境を乗り越えようとした。そこには、万人をうつ、気高い精神がありました。

 まさしくこの精神、相互に助け合う精神をもって、日本はいま、世界の平和に対し、これまで以上に、積極的貢献をなす国になろうとしています。
 カンボジアに日本がつくった母子保健センターは、同国の乳幼児死亡率を大きく下げました。フィリピンを恐ろしい台風が襲った時、わが自衛隊の活動は、感動的な支持を得ました。ジブチに拠点を構える自衛隊は、海賊から世界の船を守り続けています。
 どの一国といえども、一国だけで、平和を守ることができないように、世界が抱える課題の解決は、互いに思いやり、労わりあう、国と国、人と人の連携、協力によってしか、目指すことなどできません。
 新しい日本が、「積極的平和主義」のバナーをいま、掲げようとしている。ぜひ、頼っていただきたいと思います。

 アジアは世界の成長センターです。
 中国、韓国、ASEAN、インドやロシア、太平洋の対岸には、TPPのパートナー諸国。限りない可能性を秘めた隣人たちに、日本は囲まれています。世界経済発展のエンジンとなるべきこの地域にあって、どうしたら、平和と、繁栄を、恒久的なものにできるか。私は、常に思案しています。
 繁栄の基礎となるのは、人や物の、自由な往来です。海の道、空の道、最近では宇宙や、サイバースペース。かけがえのない国際公共財を安全で、平和なものとして守り抜く唯一の手段とは、法による秩序を揺るぎないものとすることです。
 そのために、自由、人権、民主主義といった基本的価値をより確かなものとすることです。この道以外、ありません。
 アジアにおいて平和と安定が損なわれれば、世界全体に大きな影響を与えます。アジアの成長の果実は、軍備拡張に浪費されるのではなく、さらなる経済成長を可能にする、イノベーションや、人材育成にこそ、投資されるべきです。
 アジアの平和と繁栄にとって、さらには世界の平和と繁栄にとって、必要なのは緊張でなく信頼、武力や威嚇でなく、対話と、法の支配です。
 アジア地域を、武力と威嚇でなく、信頼と秩序の地域としていくために、最後に私は、アジアと、そして世界へ向けて、訴えたいと思います。
 われわれは、アジア地域において、際限なく軍備が拡張されることを抑制しなければなりません。
 軍事予算を徹底的に透明にし、検証可能なかたちで公表すべきです。危機管理のためのメカニズム、軍同士のコミュニケーション・チャネルを整備すべきですし、海洋に関する国際法に基づいた行動を促すルールを、整えていかないといけません。
 その先にこそ、誰もが能力を開花させることができる、アジアの成長と、繁栄が実現できると、私は確信します。
 日本は、不戦の誓いを立てた国です。世界の恒久平和を願い続ける国です。
 「アベノミクス」によって活力ある日本を作り出し、地域と、世界に、平和と、繁栄をもたらしたい。そう願ってやみません。
 ご清聴、ありがとうございました。

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参照:ダボス会議(Tel Quel Japon過去記事
今回はコメントも控えようと思ったが、少しだけそっと?追記。直前の入稿記事の中の3番目の討論に於いて「プーチンも安倍氏もnationalistと言う点で気が合って、稀有で貴重な友好関係が築ける」という根拠の無い口からでまかせ発言がありましたよね。安部さんの(スピーチの)一体どこが、nationalistなのでしょうか?globalistそのものでしょう。安倍氏をnationalistと決め付けなければM氏の構築した根拠の無い出任せは音を立てて崩れるからでしょうか。
別の観点から、安倍氏の演説そのものはむしろ今回御同伴の国谷裕子氏の作文ではないかとも思われますね。作文のみならず演説における身振り手振り、表情、イントネーション、発音等、全部(クローズアップ現代の)国谷裕子先生の(みえみえの即席)御薫陶の賜物ではないかと。保守の皆様方、いかが思われますか?内容の賛否はこの際別にして。

・・・・・追記:2014年3月4日・・・・・
クローズアップ現代がどういう番組で、国谷裕子氏がどういう方か、ご存じないようですね。吃驚だけど。吃驚の反応が全く無い。少なくともこの方は安倍外交、「積極的平和主義」における最強力ブレーンですね?えぇ?何を言っているか全く意味がわからないって?

・・・・・追記:2014年3月6日・・・・・
 TPPは、私の経済政策を支える主柱です。だけでなく安倍総理がnationalistでは決してない歴然たる証拠に何の反応も無い。異常と言わざるを得ない。保守にはそれぞれ教科書にしているBlogなどがあって、そこに書かれていることしか読んでも記憶に残らないのだろう。内容や意味がわからないのだろう。保守はこう考えるべきだ、という一線があって、どんな証拠を見ても聞いても、安倍総理がglobalistだとは考えられないのだろう。違いますか?
この不思議をいろいろ考えてみた。まず冒頭演説内容が報道されていないので、全く知らない。国谷裕子氏が大きな仕切り役をしていることもしらない。知っているのは報道されたinterviewとやらだけ。しかもそれは通訳ミスによる誤報で、国際報道で物議をかもした。それで日本中が騒いだ。冒頭演説は地中深くにもぐって誰の知るところにもならなかった。まるで陽動作戦。
Abe's remarks in Davos cause ripples overseas
こういう報道でこういう騒ぎがあった。安倍さん、誤解されて槍玉に挙げられてお気の毒。
(マッチ)安倍総理大失言! & (ポンプ)発言全文と誤訳!
つまりは陽動作戦ですよね。えぇ!まるきり意味がわからないって?

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