TEL QUEL JAPON

リビドーの音階が砂漠に死んだヤギの乳をしぼっていく

フランス三昧 篠沢秀夫著

フランス三昧 篠沢秀夫著 p.212~p.217
42.敗戦・占領の心の傷の処置はこれから
(打ち込みが苦手なので、極力そぎ落としての引用となります。省略を知りたい方は、実際の書物を手にされることをお勧めします)

...1940(昭和15)年5月から6月のナチス・ドイツの「電撃戦」に国土の北半分を制圧されて、第三共和国は、駐スペイン大使だったペタン元帥を呼び戻して首相とし、降伏した。...星五つのペタン元帥から見ればこのロンドンへ脱出した時点のド・ゴール将軍は、全軍への降伏命令の違反者となる。国民全員力を合わせて敵の支配に耐える、それがペタンの立場だった。...そして1944年9月、連合軍がパリに迫ると、ド・ゴールはパリ進撃をわずか一個師団だけのルクレール将軍の「自由フランス」軍に任せることを連合国最高司令官アイゼンハワーに要求。オーケーを取る。...ド・ゴール将軍は凱旋門からシャンゼリゼ大通りを群衆に囲まれて行進する。この瞬間「自由フランス」こそ正統なフランスであり、ずっとそうだったのだ、という神話が確立する。大芝居だ。...だが不幸にも、この神話の裏側で「フランス国家」関係者は売国奴となってしまい、多くの血が流された。「フランス国家」の首相ラヴァルは裁判により死刑になった。だが裁判なしで、リンチのように殺された人数は7万にのぼると、文壇の大御所でレジスタンスの文化面を支えたジャン・ポーランは1946年に書いている。モーラスはペタンと同じ終身禁固刑。...かくて「レジスタンスを行い、それを支援しつつ占領者と対決したフランス国民」という神話が生まれ、ド・ゴール系にせよ共産系にせよレジスタンス実行者は栄光に輝く。...フランスは二つの恐ろしい戦争から本当には回復していない。...いずれにせよフランスは、すべてが終わった時に内輪で殺し合いを始めた唯一の国である!...実情を知らず一方的な神話だけ聞かされて育つ戦後生まれの世代は、当初から傷つけられた心で育っているのだ。まさに日仏共通の問題ではないか。

引用の引用も含む。追記するとこの42の出だしはこうである。

全面的敗戦。何年続くかわからない外国軍隊による全面占領。その経験はこころの傷である。それを正面から扱うか、誤魔化すか。ガーン。日仏共通の問題である。...

神話と言う言葉を使われているが、捏造である。何故これを引用したかと言えば、戦後歴史を捏造したのは日本だけではないということを記したかったのだ。同じ敗戦国として、フランスと日本は共通の体験をしているのだ。大戦終了後、戦勝国となったフランスは、大日本帝国もアメリカ合衆国も承認した「フランス国家」の4年間の祖国を占領下を過ごした人々ともども断罪したのである。極端な言い方をすれば、英雄と非国民に国民を分断したのである。

Libération de Paris août 1944
ダンスシーンのバックに流れるのは、1939年にヒットしたAlbert Préjeanの Dédé de Montmartre
Tel Quel Japon過去記事

第33SS武装擲弾兵師団
このwikipediaは読み物としても感動ものである。
the last fighters
honneur aux douzes de la 33 emme waffen ss charlemagne
Christian de La Mazière:wikipedia
Christian de La Mazière : Correspondances
そう言えばdalidaのこんな歌があった。歌詞和訳

La collaboration sous vichy - Documentaire (1/2)
La collaboration sous vichy - Documentaire (2/2)
Pétain :Pétainを通過して思考が半回転すると「戦争と国民」の関係理解が驚異的に深まる筈だ。
Maréchal nous voilà

詩集「2N世代」でMarcel Ophuls監督のdocumentary映画「The sorrow and the pity」を取り上げました。

・・・・・以上は2012年6月29日・・・・・
・・・・・追記:2013年6月11日・・・・・
「怒る者たちとは、怒りの矛先とは」などいろいろ考えさせられるので追記することにした。
「丸刈りにされた女たち」平稲晶子見つけた場所

コメント

こんにちは

こんにちは。
私はフランスの事は殆ど無知なのでそんな事があったとは驚きです。7万人処刑ですか・・フランス革命後の処刑・虐殺のぐだぐだみたい、と思ったのですが的外れでしょうか。フランスって国はいったい・・。

人類の歴史とは神話創作と捏造の連続である(by私・笑)と言ってしまえば先が無いですが、それにも限度がある。
一方的な神話だけがまかり通る、その裏側の立場が覆い隠されてしまい世に知られないままというのは問題ありと思います。ネット社会の今なら少なくとも知識としてだけでも両側の立場や捏造っぷりを知っておかねばなりませんね。

  • 2013/06/14(金) 10:29:41 |
  • URL |
  • 紺屋の鼠 #4TUF.cSM
  • [ 編集 ]

Re: こんにちは

紺屋の鼠 様
コメント有難う御座います。
人類の歴史とは神話創作と捏造の連続である(by私・笑)、確かにね。
私長い間チャーチルのベビーフェイスが大好きでした。大英帝国に相応しい立派な人物だと思っていました。単なる知識不足でしたけどね。それに比べ、ブレジネフはどう考えても、極悪人の顔ですね。ドゴールは直感的に、言われているような英雄ではない、と感じていました。顔も声もおかしい。ドイツの支配下、レジスタンス運動を通してフランス国民は命懸けで祖国を守り抜いた、そして戦勝国フランスの代表として、ドゴールが登場しました、でしょ。このひとイギリスに逃げていただけではないの?レジスタンスはまだ厳密には調べていませんが、バラバラの組織が、それぞれバラバラに動いていたようで(しかも大きな組織は紐付きで)なんでこの人がレジスタンスの総司令官のような顔で、シャンゼリゼを歩いたのか!歴史はちょっとしたタイミングで作られるのですね。ペタン政府は恥ずかしい内閣だと思っていましたが、もしこの老将軍がいなかったら、その判断がなかったら、フランスはどんなにぐちゃぐちゃになっていたか。その老将軍が、まるでフランスの売国奴のように裁判にかけられているfilmをみて、そしてその老将軍を必死に守ろうとしているひとりの人物の口頭弁論を聞いて、とても感動しました。多くの人が感動し実際老将軍は処刑を免れました。実際彼は多くの国民に支持されてきたのです。対独戦に負けたあとフランス人がこころの糧とできたのは、この老将軍しかいなかった。フランスはおろかにも、祖国を辛うじて存続させた「フランス国家」を否定し、レジスタンスを国民的神話に仕立てあげました。屈辱を認めたくない一心からか、不屈の国栄光のフランスをレジスタンスと一体化させてイメージ創造し戦勝国の側に座りました。
話は飛びますが、カンボジアのシアヌーク殿下、国内事情が把握できずに、国家・国民滅亡の危機に、よりによって国民を大虐殺した側に身を寄せました。報道が阻止され真実が何年も何十年も明らかにならなかったことも事実だと思います。親族郎党が虐殺され、難民として国外に出た、孤児や結婚によってカンボジア人になっていた外国人の口から辛うじて体験的真実がポツリポツリと語られましたが、世界中が、もちろん日本も含め、聞いて聞かぬふり、見て見ぬふりをし続けました。ポルポトは全てがさらされる前に死に、被害者側はもちろん加害者側も体験を語れる者たちがほとんどなくなったあとで、つまり歴史が風化されたあとで、屈辱も栄光も歴史判断もないまま、国連が入ってまるでゼロがら国づくりが始まりました。ポルポトはフランスに留学したエリートで、そこで毛沢東思想を学び、自分が毛沢東になって祖国に文化大革命を起こし、自国民に知識人や僧侶を殺させ、文化・伝統を徹底的に破壊させました。第二の中華人民共和国建国をして毛沢東になろうとしたのでしょう。新国家建設の前には、前国家国民の大虐殺、徹底破壊が必要だと毛沢東は知っていて、そしてポルポトもそれに倣ったのでしょう。つまり、紺屋の鼠 さま、捕虜になり戦後何年も経ってからも長々と洗脳教育を受けつづけ物語を詰め込まれたあなたといつも話をするあの日本人たちは、悪人役を背負わされたに過ぎないのではないでしょうか。早い話が、戦中に実体験したことを、本人が戦争が終わってから何年にもわたり、覚えなおす必要などどこにもないのです。毛沢東は知られている行動としては戦場から遠くへ延々と逃げただけです。長征として徹底的に美化されていますが、多くの人間が亡くなっている事実から考えても、地獄行、現場はジンギス・ハーンの侵略のような日常で、カンボジア人同士が殺しあったように昔から中国に住む人たちと殺戮し合ったのでしょう。話はさらに飛んでしまいましたが、長征、共産軍と国民党の熾烈な戦い、そして新国家建設のための権力争い、粛清、何もかも実際はプロパガンダ用に良いとこどり、美化されてはいますが、死者の怨念はうずたかく大地を覆っていて、その行先の対象として捕虜の日本人たちが選ばれ、彼らが帰国後は、拡散され想定通り、日本国に集中してきているのが、事実現状ではないでしょうか?黄色人種で顔で区別ができないので、死者たちもわけがわからないのでしょう。歴史はちょっとしたタイミングで、固定され、人の頭の中に侵入するものなのですね。
今日は最初に書こうと思ったこととは、全然違う内容を書いてしまいました。

  • 2013/06/15(土) 14:03:29 |
  • URL |
  • Bruxelles #qXcWIg3k
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