TEL QUEL JAPON

リビドーの音階が砂漠に死んだヤギの乳をしぼっていく

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リメンバー「真珠湾」を演出した男



K氏に「Homer Lea」の拙稿をお見せしたら、興味ある本を紹介していただいた。
VISIONS OF INFAMYーThe Untold Story of How Journalist Hector C. Bywater Devised the Plans that Led to Pearl Harbor By William H. Honan (Author)
上記の本は1991年に出版され同年翻訳本も出ている。
監修の猪瀬直樹氏による「太平洋を挟んで育まれた共同幻想」という解説がついている。日露戦争以降、太平洋戦争が始まるまでの間に、双方から無数の「日米未来戦記」が出版されまたその多くがベストセラーになったという、あまり知られていない事実が具体的に紹介されている。(参照:大正期における日米未来戦記の系譜
上の写真が、記事タイトルになっている書物の、原書である。著者のWilliam HonanはThe Great Pacific Warの著者であるHector Charles Bywaterの人生を詳しくこの本で紹介している。

Reporter Predicted Japanese Attack
The Prophecy of Hector Bywater
1925年の「太平洋大戦争」でHector Bywaterが真珠湾攻撃を予測したというのが、リメンバー「真珠湾」を演出した男、のつかみである。1991年なら比較的最近である、大正時代に「真珠湾攻撃」を想定した本を書いた人物がいるというような話を、ちらりと聞いたような気もする。
1925年の「太平洋大戦争」によるかなりの予言は当たっているが、真珠湾攻撃に関しては、うわさに反して具体的には書かれていないらしい。しかしHector Bywaterという人物、およびその想像力、影響力は驚くべきものがあったということだ。時間のない方には猪瀬氏の解説だけでも、読む価値があると思う。日米戦争に至る時代の勢い、大衆の雰囲気(集合のベクトル)という観点から歴史を見ることができる、これは忘却された新しい視点である。中古品が安く出回っているようなので、興味のある方にご一読をお勧めしたい。

追記:2011年7月22日:時系列で説明すると...
バイウォーターが「太平洋大戦争」を書いたのが1925年、ウィリアム・ホーナンがグリニッジ・ビレッジの古書店で「太平洋大戦争」を偶然手に取るのが1967年。この本が真珠湾攻撃の16年前に書かれたことを知って、驚いたホーナンはその時からバイウォーターのことを調べ始めた。結果「真珠湾を知りすぎた男ーVisions of Infamy」がホーナンによって出版されたのが、1991年。
・・・・・・・・

The Great Pacific War by Hector C Bywater:
ここにも紹介されている。右下をSurfしたら他の記事も読める。
古い雑誌の興味ある記事を集めたこのサイトは本当に素晴らしいほかの関連頁も全部読みたいと思う。
当時の記事は後に検証された記事とはまた別の、当時の空気を生に再現するという価値がある。戦後、読むべきもの、読むべからざるものを意図的に選択され、見解を誘導されることに慣れ過ぎている日本人には、こういった外国の古い雑誌の記事は、特に新鮮だし価値がある筈だ。


///////追記:2011年7月23日///////
この種の軍事もの作家の中で一方の傑出した人物がBywaterだとすると、もう一方の興味深い人物を一人に限定すると、平田晋策ということになるだろう。少しリンクを紹介しておく。
平田晋策の生涯1 & 平田晋策の生涯2

///////追記:2011年7月23日///////
田中上奏文ーHomer Lea,田中上奏文ーBywater,田中上奏文ー平田晋策、...と考えていくと、当時何の根拠もなかった田中上奏文は、きわめて質の高い大衆エンタテインメントにその根源を発するのではないかと思えてくる。彼らはその頭脳及びその想像力の高さゆえに、正確な予知予言となり、ある意味時代(戦況)を方向づけてもいる。翻訳され海外でもベストセラーになったものもある。それが軍国主義日本のイメージを醸造させたのかもしれない。大衆エンタテインメントが、スパイたちに利用されたのだ。いずれにせよ、太平洋両岸のベストセラー作家たちは、不幸な死に方をしたり、不遇のうちに亡くなっている。頭脳の明晰さゆえに調査能力が高すぎた、想像力が緻密過ぎた、そして未来の軍事戦略に利用されり、機密漏洩の疑いがかけられたりもした。
この文章のタイトルにもなっている、書物のつかみは実はもう一つあって、書の中で筆者のWilliam Honanは、「Bywaterは山本五十六に暗殺された」という自説を展開している。仮にそうだとすると、日米未来戦記の作家の知的水準と情報収集力は、(その存在が目障りだという点で)国家水準を超えていたことになる。
猪瀬氏の解説は「彼らの役割は、戦争が現実のものとなった時終わりをつげたのである。ペンで戦争を引き起こした彼らは、充分に報いを受けた。」と締めくくられている。敗北した大日本帝国を否定するあまりに、はるか前の時代を生きたベストセラー作家まで、後付けで戦犯にしようという、筋の通らない、(戦後の一億総懺悔の)ワンパターン思考である。藤田嗣治を日本から追い出した、戦後日本のヒステリーと同種の、時代をさかのぼっての自国民の虐待である。

・・・・・追記:2011年8月9日・・・・・
○水野廣徳(みずの ひろのり) No.1 & No.2 & No.3 :
阿武天風:
○櫻井忠温: No.1 & No.2 & No.3 & No.4 ?:
山中峯太郎: 違星北斗研究会&山中峯太郎 :孫文やボースを支援

・・・・・追記:2011年8月18日・・・・・
The Century of Black Ships: 猪瀬直樹

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://goodlucktimes.blog50.fc2.com/tb.php/281-3cc1fb70
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。