TEL QUEL JAPON

リビドーの音階が砂漠に死んだヤギの乳をしぼっていく

The Man Who Tried to Kill Hitler: Valkyrie 「Hitler暗殺計画」

Tom Cruise
Tom Cruise talks Valkyrie: No.1 : No.2 :
資料は前から集めていたが、TVでのこの映画のCMが始まったので、あわててとり上げることにした。
映画のタイトルは「Valkyrie」 No.1 : No.2 : No.3 :
Claus Schenk Graf von Stauffenbergを主人公とした第2次世界大戦史話の映画化である。遺族等からは主演がTom Cruiseではどうも、という抗議の声もあがっているが。
Claus von Stauffenberg:
資料No.1 :資料No.2 :資料No.3 :資料No.4 :資料No.5 :
参照:Peace and war Online:本人の写真もある。:

今「ヒトラーの子供たち」(ジェラルド・L・ポスナー著1993年3月ほるぷ出版刊)を手にしている。主人公をカタカナ読みするとクラウス・フィリップ・シェンク・フォン・シュタウフェンベルクとなる。彼のことはこの本の第8章に詳しく書かれている。1943年4月7日チュニジアのカスリン峠をめぐる戦闘に参加している時だった。乗用車が地雷原に突込み左眼を失った、と同時に左耳と左ひざ、を負傷、さらに右手右腕の先も失った。左手の薬指と小指も切断した。身長190センチ、名門出身の美男子と記録にはある。くどくど書いているのは1944年7月20日クラウスが書類カバンを開けカプセルを割り、時限装置を作動させた時、その行為を残されたたった3本の指で行ったことを強調するためだ。この事件の容疑者の親族や友人たちは逮捕され、数千人が強制収容所おくりとなった。クラウスの兄、大学教授だったアレクサンダーの妻はエンジニアで飛行家で、夜間飛行に欠かせない重要な装置を数多く発明していた。彼女は特別釈放されクラウスの子供たちのために尽力する。この伯母の操縦する自家用小型飛行機は、終戦の数日前にバイエルンでドイツ軍に撃墜される。「シュタウフェンベルク家の宝石類を持ってスイスへ逃げ込もうとしている」という虚報が高射砲を担当していた将校の耳にはいったためだった。
爆弾の爆発は7月20日12時42分、ヒトラー生存のニュースが流れたのが夕方、夜の11時にクラウスはナチス忠誠派に左腕を撃たれ、その後略式軍法会議で死刑宣告、夜が明けて7月21日未明、陸軍省の裏手にある中庭の壁に並んで立たされ、軍用トラックのヘッドライトに照らし出されて、銃殺された。「わが神聖なるドイツ万歳!」と叫びながら。36歳だった。

さて観客はどのような反応をするのだろうか。ドイツの英雄か、ドイツの敵か。これまで見たところでは、前者が圧倒的だ。ドイツ人の恥、憎きヒトラーをやっつけようとした英雄だと支持されている。連合軍のノルマンディー上陸は既に敢行されている。ヒトラーのカリスマ性は失われている。クラウスと心を一つにするドイツ人も多くなってきていた筈だ。悪人ヒトラーという図式が出来上がった以上、反ヒトラーとは正義なのだから。さらにここにナチスとドイツを敵対するものという史観が入れば、クラウスは完全英雄である。何よりも「わが神聖なるドイツ万歳!」がそれを証明している。
ただはき違えてはならない点がひとつある。秦郁彦氏のように日本を「悪魔の片割れ」と認識していると、このクラウスが仮に日本でクーデターを引き起こしたとして、その場合もやはり英雄になる。日本の軍事機密をソ連に渡して日本軍に多大な被害損傷を与えたスパイ尾崎秀美を英雄視する勘違い人間が蔓延るもの、秦郁彦氏のような「悪魔の片割れ」というトンデモ史観があるからだ。死に際して「ソビエト赤軍、国際共産主義万歳」と叫んだゾルゲ、の片割れと、「わが神聖なるドイツ万歳!」と叫んだ愛国者クラウスを、ゆめゆめ混同してはならない。
一方ナチスとドイツを一体とする史観で見る場合はどうだろう。どちらかと言うと2・26に類似した反逆者となる。ほとばしる愛国心から出た行為であってもやはり同胞を殺傷する反逆者なのだ。しかし現代の視点という義眼を嵌め込むと英雄的反逆者となる。どこまで行っても敵国スパイのような売国奴には決してならない。

昨日Net Surfingをしていて偶然もう一人のヒトラーの子供に出会った。クラウスとこの人物との違いは、クラウスが敗戦末期にドイツとヒトラーを敵対するものと認識したのと違い、彼においては最初から最後までドイツとヒトラーは一体なのだ。しかも彼は平和の使者である。そもそも戦争反対サイトで出会った。かれこそ戦争の被害者である。いやChurchillの被害者である。そもそもChurchill悪玉説を自分なりに検証している過程で出会った。現在彼は誰にどのように評価されているのかと調べると、彼の記録を残そうとしているのは一部の平和主義者たちと、ネオナチであった。その人物についていずれ書こうと思っている。
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///////追記:2010年2月17日///////
日本語吹き替えでこの映画を丸々見ることが出来るアドレスをみつけたのでお知らせします。
映画 ワルキューレ 日本語吹替版 :拡大して大画面で御覧下さい。

テーマ:アメリカ映画 - ジャンル:映画

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