昨日の強風とはうって変わって今日は穏やかに日が昇った。
部屋の中に上空を飛ぶ小型機のエンジン音が聞こえてきた。
伊勢神宮に参拝するために飛び立ったのだろうか。
かれこれ30年近く前になる。大阪八尾の日本産業航空の訓練生だった頃、上級の人たちはお正月には編隊を組んで伊勢神宮参拝飛行に繰り出していた。そして8月15日には六甲山中のゼロ戦に花束投下をしていた。
その時たまたまクラブハウスにいて、いまから六甲山にむかうと言う現場に居合わせたので「ぜひ私に花束投下をさせて下さい」と申し出た。許可が下りて飛行機に乗り込んだ。誰が用意したのか大きな花束を渡された。
「本当に六甲山中にゼロ戦の残骸があるのですか?」
「行けば分かるよ」
普通の人にはわからない。毎年来ているからこそすんなり到達したのだろう「あそこだ」と言われたあたりを見下ろすと、たいした損傷もないゼロ戦が山中に墜落している。記憶はもう定かではないが赤い日の丸,緑の機体、間違いなくゼロ戦だ。対空速度、対地速度、高度、気流などの関係で、花束投下のタイミングはとても難しい。自分では判断も計算もできない。旋回をしてその最中に「今だ!」と言われた瞬間に花束を手放した。高度は少し下げただけだ。ゼロ戦が目に焼きついた。風雨に晒されたまま何故ゼロ戦が六甲山中に墜落しているのだろうか?七曜会の先輩のF氏に,後年話したら「六甲山中のゼロ戦の存在」は信じてもらえなかった。ひょっとしたら、これは誰にも知られていない、産業航空関係者だけの秘密だったのかもしれない。だとしたら、そのゼロ戦にまつわるどんなストーリーが隠されているのだろうか?
(数ある八尾の飛行クラブのなかで日本産業航空だけが、今はその名を消している。数年後に新聞をにぎわせた巨大金融詐欺会社が、八尾の伝統ある飛行クラブの喉元を、その濡れ手で泡の札束で締め上げ、消滅させたのだった。)
追記:2012年8月16日
ネット上にこの日のことを書いた古い日記があることを思い出した。
そのほかの日々(1)Paris 15 Aout :
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22 September 2009 Special Event: United Nations
Mr. Yukio Hatoyama, Prime Minister of Japan.
国連のSiteを見ると、いつも生徒会のような感じを受けるのは何故なんだろう。大人の場所ではない。
CO2削減って、どうも本質は新手のマーシャルプランのような気がする。環境はとっても大事なのだけれど、お金でどうこうしようとする発想に、金融工学風の国際的ペテンが潜んでいる気がしてならない。
10分間を再現する: 鳩山氏の国連デビュー : 原稿を読む
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2009年12月13日:追記
上の文にある「新手のマーシャルプラン」とは教科書に書いてあるそれとは解釈が違う。このことに関してはTel Quel Japonの過去記事を参照されたい。
ひとつ取上げるとこういう解釈もある。だとしてもこれには、まだ脳みそがある。新手のマーシャルプランには、その、脳みそがない。
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